REPORT

みんなの脳世界2024 ~超多様~を開催しました!

2024年11月15日

2024年10月12日と13日、東京ポートシティ竹芝で「みんなの脳世界2024~超多様~」展示を開催しました。昨年の33コンテンツからさらに拡大し、今年は日本全国から産官学から55の体験型コンテンツが集結し、トークセッションやワークショップも実施しました。「ちょっと先のおもしろい未来(ちょもろー)」の中で開催しました。と同時開催され、会場には2日間で延べ16,252人もの方にお越しいただきました!

日本を代表するさまざまな大学・研究所・企業から55コンテンツが出展

みんなの脳世界2024〜超多様〜には、産学官から合計55のコンテンツが出展され、子どもから大人まで幅広い層の方に体験いただきました。昨年同様、展示を5つのエリアに区分けし、それぞれを巡ることでニューロダイバーシティへの理解を促しました。

多様な世界

入り口には「多様な世界」エリアがあります。ここでは私たちが世界をどのように捉えているか、捉えている世界にはどんなちがいがあるのかを身近な例から触れていきます。見方を変えると別のものに見える錯視をはじめ、動物によって色の見え方が異なること、当事者の視点や感覚などいつもの自分とは異なる多様な世界を体験できるコンテンツ合計12の展示しました。

  • 違いを体験しよう!見え方の多様性(B Lab)
  • 「こんなにも違って見えるの?」錯視(さくし)の不思議を体験しよう(B Lab)
  • 交差性の視点で “日常” をとらえなおす(実践女子大学 標葉研究室)
  • 多感覚情動推定システム(東京大学認知発達ロボティクス研究室)
  • 立場を自由に変化させる?!「スタンスポーカー」(大阪芸術大学アートサイエンス学科)
  • 脳波で捉える「あなたのモノの見方」(NTT人間情報研究所)
  • 裸眼立体視ディスプレイを用いた非対称コミュニケーション(東京大学先端科学技術研究センター 稲見・門内研究室)
  • あなたの見るもの、私の見るもの-人それぞれのコミュニケーション-(JST未来社会創造事業 個人に最適化された社会の実現領域「ニューロダイバーシティ環境下でのコミュニケーション双方向支援」)
  • 身体性シミュレーション:当事者の視点から世界を見てみよう!ムーンショット目標1 Project Cybernetic being(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
  • LGBTech: VR for Therapy(Minds1020Lab(横浜市立大学COI-NEXT + 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 Embodied Media Project+ 順天堂大学)
  • 空気触感伝送による情動共有鑑賞体験(渡邊淳司(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
  • 鼓動に触れるワークショップ「心臓ピクニック」(渡邊淳司(NTT コミュニケーション科学基礎研究所))

多彩な五感

次のエリアは多彩な五感というエリアです。
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、他の人のそれぞれ異なる感性を知ることや、自分自身の感覚に目を向け、一人ひとり異なる感覚の多様性に気づき、互いの違いを尊重し、つながりを深めることをコンセプトとしたエリアです。
自分の触力を聴覚のように測るものや、味覚にフォーカスした展示、触覚を頼りに箱の中で起こっているかを当てるもの、会場付近を回って刺激をマップに記録するツアーなどが合計11の展示を行いました。

  • 見えない『痛み』が見える!ぺぺぺペインカード体験(WiTH PAiN)
  • 甘い形と苦い形 ー風味の視覚化ー(立命館大学 多感覚・認知デザイン研究室)
  • はこのなかでは何がおきている?(NHK放送技術研究所)
  • ASD知覚体験シミュレータ(東京大学認知発達ロボティクス研究室)
  • 意識と無意識を感じてみよう(産業技術総合研究所(with ムーンショット目標3下田プロジェクト))
  • 触力検査(B Lab /名古屋工業大学ハプティクス研究室/稲盛科学研究機構 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 Embodied Media Project)
  • 感覚統合ー様々な感覚を整理する脳の働きーをVRで体験してみよう(東京大学 葛岡谷川鳴海研究室,株式会社クリスタルロード 感覚過敏研究所)
  • センサリーツアー(株式会社クリスタルロード 感覚過敏研究所)
  • 脳がみている“あなたの世界”(国立研究開発法人情報通信研究機構 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター)
  • 感覚探偵スタンプラリー(Policy Project + B Lab)
  • 見たい景色を音で感じてみよう(株式会社KDDI総合研究所)

個の拡張

個人の感覚の多様性を知った後は、テクノロジーの力で個人のちからは拡張することができることを体験できる「個の拡張」エリアがあります。

このエリアでは、ドリフト走行できる車椅子をはじめ、脳波を使って操作するゲーム、遠隔でアバターを操作して会場内をロボットで歩いて交流したり、他の操縦者と協働して陶芸を行うというような近未来を感じる展示など合計17の展示を行いました。

  • スライドリフト(AXEREAL株式会社・超人スポーツプロジェクト)
  • ハッカク(AXEREAL株式会社・超人スポーツプロジェクト)
  • スピリットオーバーフロー(AXEREAL株式会社・超人スポーツプロジェクト)
  • 個人の拡張ってどういうこと?(B Lab)
  • ジザイ・フェイス(東京大学先端科学技術研究センター 稲見・門内研究室)
  • 脳波でゲームを操作しよう!(NTT人間情報研究所)
  • 脳波レーシングゲーム(国立研究開発法人情報通信研究機構 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター)
  • リアルとバーチャル、親子で協力!(東京大学 葛岡・谷川・鳴海研究室)
  • 「もうひとつの身体」で自在に働く(ムーンショット目標1 Project Cybernetic being(オリィ研究所))
  • 身体を拡張し自分の限界を突破する(ムーンショット目標1 Project Cybernetic being(慶應義塾大学KMD+オリィ研究所)x WITH ALS x NOUPATHY x 電通サイエンスジャム)
  • 他人のワザを体感し自分の身体で学ぶ(ムーンショット目標1 Project Cybernetic being(名古屋工業大学+慶應義塾大学KMD)x 日本工芸産地協会 x 育陶園)
  • 身体の動きをアシストし衰えを乗り越える(ムーンショット目標1 Project Cybernetic being(名古屋工業大学+名古屋大学医学部+東海大学))
  • デジタルで拡張された世界にふれる(ムーンショット目標1 Project Cybernetic being(慶應義塾大学KMD)x NTT DOCOMO x commissure x SPLINE DESIGN HUB)
  • デジタルで拡張された世界をあるく(ムーンショット目標1 Project Cybernetic being(慶應義塾大学KMD))
  • 全身の感覚を通じてアバターとつながる(ムーンショット目標1 Project Cybernetic being(慶應義塾大学KMD)x Synesthesia Lab (Enhance Experience Inc.))
  • ロボットの身体を操り自分を超える(ムーンショット目標1 Project Cybernetic being(明治大学+Sony CSL+東海大学))
  • Cybernetic beingで拡がるココロ(ムーンショット目標1 Project Cybernetic being(東京大学)

環境の調整

個人特性の拡張とは対象に、「環境を変える」選択肢があることを知るエリア「環境の調整」エリアを展開しました。ここでは、通る人によって開閉スピードを変更できる自動ドアや、四角いタイヤの自転車など合計6つの展示を行いました。

  • 色のめがね・色のシミュレータ(株式会社ハウディ/ViXion株式会社)
  • 環境によって変わるってどういうこと?(B Lab)信号機が赤・青じゃなかったら?(B Lab)
  • あつまれおんがくの森(Minds1020Lab(横浜市立大学COI-NEXT))
  • 和文化スヌーズレン(Policy Project + B Lab)
  • みんなにやさしい自動ドア ミライロドア(株式会社ハウディ/フルテック株式会社/株式会社ミライロ)
  • 「Smiral-Robo」笑顔が寄付に(One Smile Foundation + ugo)

社会の創造

最後は、これまで体験して学んだことを踏まえみんながそれぞれちからを発揮できる社会とはどんな社会かを考えるきっかけを提供するための「社会をつくる」エリアです

お子様の特性を知るきっかけとなるものや、自分一人の困りごとを分かりやすい言葉にみんなで翻訳するもの、遮音機能の高いカームダウンルームなど合計7つが展示されました。

  • 物語からいっしょに未来をつくる「Neu World」(ムーンショット目標1金井プロジェクトInternet of Brains)
  • お子さまを特性から理解する:LITALICO発達特性検査(株式会社LITALICO)
  • どうしたらみんなが協力できるんだろう(明治学院大学実験経済学研究室+明治学院大学情報科学融合領域センター+科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B) デジタル身体性経済学の創成(2023年度終了)
  • こまりごと翻訳(渡邊淳司(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)+B Lab)
  • 身体マップ:感じるままのキモチを書こう!(科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B) デジタル身体性経済学の創成(2023年度終了)+B Lab)
  • 環境マップ:あなたの発見をシェアしよう!(科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B) デジタル身体性経済学の創成(2023年度終了)+B Lab)
  • ニューロダイバーシティアワード(B Lab)

来場者からは「初めてニューロダイバーシティという言葉を知った」「色んな感覚を知ることができ、家族(当事者)の世界が少し分かった気がした」といった感想があがりました。

一方出展者からは、「幅広い年齢層、専門性の高い方から一般の方まで、様々な方に技術を体験してもらい、目の前で反応を見ることができてよかった」「たくさんの研究者と関わることができ、コラボレーションに繋がった」といった感想をいただき、研究のアウトリーチの場やコミュニティとしてポジティブな評価をいただきました。

最後に、本イベントにご出展くださった皆様、ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた方々に心より感謝申し上げます。
「みんなの脳世界~超多様~」は、多様な感覚と視点を体験することで、来場者が自己の特性や他者への理解を深める場となることを目指し、体験型プログラムや展示を通して今後もニューロダイバーシティ社会の実現に貢献していきたいと考えています。

本件のお問い合わせ先:infoアットneuro-diversity.world