REPORT

和洋女子大学にてニューロダイバーシティ研修を開催しました!

2024年12月9日

2024年11月21日(木)に和洋女子大学にて開催した研修の様子をお届けします!

ニューロダイバーシティは私たちの脳や神経が多様であることに由来する概念であり、これは私たちみんなに当てはまります。この個々の特性ゆえに、「生きづらさ」を感じることがあります。私たちは、個人の脳機能や身体を技術で補完・拡張し、物理的空間や社会的制度・慣習などの環境を再設計することで、生きづらさが解消され、ひとりひとりが自分らしく「ちから」を発揮できる社会の構築を目指します。その活動の一環として、企画展や研修を行なっています。今回は一般の方々に向けて行っていたニューロダイバーシティ研修をリメイクし、和洋女子大学の教職課程を履修する学生向けに教育現場向けの研修を行いました。

多様性に寄り添う教室づくりに向け、まずニューロダイバーシティについて学び、「ASD知覚体験シミュレータ」を体験しました。さらに、脳や神経の多様さによる教育現場で起こりうる困りごとを記載した「困りごとカード」に対するアクションのアイディエーションを行いました。

ニューロダイバーシティ研修概要

ニューロダイバーシティ研修は「知る」「体験する」「創る」で構成されています。 3つのカリキュラムを通して、異なる視点を理解し合い、世界の多様な捉え方を尊重することを促し、ニューロダイバーシティ社会の実現につなげます。

①知る:ニューロダイバーシティ社会の実現に向けて(講師:石戸 奈々子)

研修の導入として、ニューロダイバーシティの概論として、これまでの歴史や様々な事例を知り、ニューロダイバーシティを尊重する社会について学びました。

②体験する:ASD知覚体験シミュレータ(講師:ニューロダイバーシティプロジェクト事務局)

長井志江先生(東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構特任教授)と熊谷晋一郎先生(東京大学先端科学技術研究センター)が開発された「ASD知覚体験シミュレータ」をご体験いただきました。明るさや音の強さの異なる環境においてASD者の世界がどのように見えているのかを体験することで、ASD当事者の感じる視覚過敏や視覚鈍麻といった症状を自分ごととして体験。

体験された学生の皆さんには自分の感じたことと体験した知覚世界ではどのようなことに困りそうか、ワークシートを通して言語化していただきました。「通常の視覚世界と明るさや色が全く違う」「とてもリアルで怖く感じた」「目と気持ちが疲れそう」などの声があり、体験グループ内でも「自分はこのように感じた」など意見交換も行われていました。

③創る:アイデアソン(講師:ニューロダイバーシティプロジェクト事務局)

ニューロダイバーシティ社会の創造に向けて具体的にとれるアクションを考えるアイデアソンを行いました。今回は特に教育分野と関わりの深い「困りごとカード」を用いて、具体的な困りごとから「どういう社会を構築していくか」「どのような教室づくりをしていくか」をグループごとに考えます。

グループでは困りごとへの配慮や解決策を考えていただき、代表で2グループがアイデアを全体でシェアしました。

ここでは、すぐに実装できるものから楽しい斬新なもの、教職課程を履修されている学生の皆さんならではものなど、多種多様なアイデアが出ました。

ご参加いただいた方々からは「困りごとが明確になった」「1人1人にあった環境作りが大切だと思った」「これから教員になった際の学級運営に役立つ機会だった」「生徒の立場になることの重要性を改めて感じた」などの声をいただきました。


ご興味を持ってくださった方へ

B Lab ニューロダイバーシティプロジェクトはニューロダイバーシティへの理解を促進し、ひとりひとりがそれぞれの場所で各自の個性や「ちから」を発揮できる社会を構築することを目指して活動しています。その活動の一環として、今後もコンテンツを充足しながら研修の企画を行なっていきます。

ニューロダイバーシティ研修は、企業や教育現場での研修等への導入のご相談も受け付けております。 対面での開催だけでなく、オンラインでの実施も視野に入れておりますのでまずは気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら<info アット neuro-diversity.world>